>>vol.7の続き

セスナが無事に着陸すると、地元の男の子が2人、こちらの様子を見ていた。
どんだけVIPな人が降りてくるのだろう?と思ってるんだろうな~。
すっごい普通の人です、ごめんね。

こでまた市長の手配して下さった運転手さんの車に乗り、
マットグロッソ州サン・ジョゼ・ド・リオ・クラーロ市の渡辺パウロ市長のお宅にお邪魔した。

横田さんがこの日系の市長さんとお知り合いで、
横田さんや日系移民の活動を取材するライターさん(和田さん)の取材を受けて下さる事になっていたのです。
地元の市長にだって対面で会った事ないのに、
まさかブラジルの市長さんに会うなんて。
人生、やっぱりわからんもんです。

渡辺パウロ市長さんは、元々はサンパウロの病院に勤めていたお医者さん。
とても優しそうな人で、日本語もお話になる。
私たちを快く迎えてくれ、市役所を見せて頂き、
環境の事、ジャングルの事、この市が企画している事など様々なお話を丁寧に説明してくれた。
その後、ある孤児院へと移動。
この孤児院は、日本からの支援金(84,749USドル)で建てられたものだそう。

こういう事を日本がしているということは、日本国内にいるのになかなか伝わってこない。
日本のお金が何に使われ、思わぬところで感謝されていることを、日本人は結構知らないもんなのかも。

この孤児院では、日本に対する感謝の気持ちを込めて、小さな日本庭園が作られていた。
孤児の子たちが日本への感謝を忘れないため、だという。
何とも粋だ。

と、しみじみしていると!
ぎゃっ!

大きなカメラと、マイクを持った男性が、
待ってたよ、と言わんばかりに車から降りてきた。
??????
な、なんと地元のテレビが取材に来たのだ!!!

渡辺市長はこの市にとても貢献していて、市民からの信頼が厚い。
その市長が、ある日本人を日本が建てた孤児院に連れて来た、
「コレは何かある!」と思ったようだ!!

実際は何もない…。
でも、何もないとは言えない雰囲気…。
テレビカメラの前で慣れたように語り始める市長。
ココまで追い込まれると、なんだか自分たちのこの状況がちょっと面白くなって来た。
そして私と和田さんは、アイコンタクトで会話をする。
「演じるのよ!」
「そう、何事もないフリをするのよ!」

そして、程なく、マイクとカメラは私たちに向けられる。
「何をしに訪れたのか?」「この町をどう思うか?」
レポーターの目は真剣だ。
私は、この旅のリーダーである 和田さん に全てを委ね、
彼女が演じる様を心で励ましながら、
インタビューが無事に終わるのをカメラの前でじっと待った。
しかし、ブラジルに来て、新聞に載るは、テレビにでるは…。
面白すぎる!
(オンエアがあったのかどうかは分からないけど…)

孤児院を出る前に、孤児の子一人一人と挨拶するように言われた。
私たちはただ日本人ってだけ、そんな、おこがましい!という気持ちで恥ずかしかったが、
小さい子が待っていてくれるのに、拒むのは逆におかしい。
日本人とかそういうのではなく、一つの出会いということで、一人一人握手をさせたもらった。

その後、市長のご好意で、「POUSADA ARARAS ECO LODGE」というロッジに連れて行って頂く事に。
ひろーい敷地のこのロッジは、
大自然を残したまま、訪れた人にエコツアーに参加してもらったり、
リゾートホテルのようなくつろぎを提供しているロッジだ。
オーナーが自ら、その大自然の生命体を研究をしていたりもするらしい。
門を入ってからロッジまでの距離が長い長い。
木が覆い茂って、何か面白い発見がありそうなとっても素晴らしい環境!

この敷地内には、
従来からある植物や野生の動物をそのままに共生していた。
水がチョロチョロと湧き出る場所があり、
これがやがて川となり、アマゾン川につながっているのだ。
(一番上の写真)

アマゾン川は茶色ですが、源流近くは透明度が高く、
キレイな川に生えるという水草もワッサワッサ生えている。
魚が泳ぐのも見れるし、ワニだっている。
ブラジルに来て、最初で最後の森散策は楽しかった。

暗くなる頃に、ロッジのレストランで、気持ちの良い風に吹かれながら、
美味しい川魚のフライとビールなどをいただいた。
本当に冬なのかってくらい、気持ちがいい!

市長が来てるということで、わざわざオーナーが挨拶に来てくれた。
これまた優しそうなおじさんだ。
「この辺はカピバラがいるんだよ~。」

え!!!カピバラ!!!

日本でも カピバラさんというキャラクターとしてはやってる、
あのカビパラだ!!!
出発前から、ブラジルで生息している動物が見たい!と言っていた私の目が、キラッと光った。
その目を見たオーナーはこう言う。
「見たい?」
私はぶんぶん顔を縦にふり、大きくうなずく。
「見たい、見たい!」
そして、オーナーはニヤリ。
「よし、ナイトサファリに出発だ!」
そして、オーナーの4WDで敷地内、ナイトサファリが始まった。

>>懲りずにvol.9へと続く